日本からバルセロナまでの距離は約1万キロメートル。地球1周が約4万キロなので結構遠い。そんな遠い国で、観光客目線で目立った日本のブランドが2つ、 「楽天」 と「アクエリアス」。遠い異国の地で日本ブランドを見ると何しているかやはり気になる。
Rakuten 楽天
FCバルセロナ、サッカーをやっていない人でもほとんどの人が聞いたことがあると思う。楽天が4年で2億4560万ユーロ(約288億円)というとてつもない金額でスポンサーになっているというのはニュースで見て知っていた。そんなに広告費をスポンサーにかけて良いのかなと思っていたけど実際にFCバルセロナの試合を見に行くと、「意味あるかも」と思う。
スタジアムにつくと壁には大きな「Rakuten」、スタジアムの中に入るゲートにも多分すべてのゲートに「Rakuten」、もちろん選手もサポーターも着ているユニフォームの胸にも「Rakuten」。
バルセロナのホームゲーム観客数は平均で75,000人。実際に観戦に行くと感じるが、色々な言語が飛び交い、恐らく世界中から観戦に訪れている。年間の試合数は60試合くらいでそのうちの半分がホームとすると75,000人×30試合=225万人がスタジアムを訪れる。またバルセロナはスタジアムツアーも行っていて、2015年の公表されている数字で178万人がスタジアムを訪れているみたいなので、世界から集まる約400万人が実際にこの光景を見るというとブランディングとして侮れない気がする。
レアルマドリードも観戦に行ったけど、Emiratesの露出はここまで無かった。ヨコハマタイヤのチェルシーもスタジアムの様子やチェルシーのHP、Googleで検索した画像を見る限りでは楽天ほどの露出は無い。楽天は検索してもバルセロナと絡めた関連サイトが目に付く。 バルセロナのFacebookは1億人のフォロワーがいるし、スタジアムで記念撮影している人も本当に多いので、これだけの露出があればSNS経由でRakutenブランド を目にする人もかなり増えるのでは。 楽天でスポーツマーケティングを担当されている方の経験が豊富みたいなので色々と入り込んで細かいところまで交渉しているんだろうかなど考えるのは面白い。
「スポーツビジネスのトップランナーに聞く」 第4回:堀弘人さん(楽天株式会社)
ドキュメンタリー番組を作ったり、投資価値を最大限に引き出したいというのが良く分かる。
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楽天は事業領域もマーケティング、広告、メディアなど、ブランディングに役立つサービスが多いので、社内のリソースを生かすだけでもすごく有効活用できそう。海外展開苦戦しているみたいだけど、他のスポンサーよりもスポンサーシップを有効活用しているように感じる。 楽天より一足早くチェルシーのスポンサーになったヨコハマタイヤは欧州・アジアでの認知率が40%から60%に上がるなど効果が出ているみたいなので今後にさらに期待。
AQUARIUS アクエリアス
楽天はFCバルセロナの一点集中で凄かったけど、地道に根を張っていってそうなのは、 日本でもお馴染みアクエリアス。 看板もたくさん見たし、スーパーでも大体販売されている。コカ・コーラのブランドなので日本ブランドと言って良いのか微妙だけど、日本生まれのブランドなので良いですかね。日本での発売は1980年に発売されたポカリスエットから3年遅れの1983年。最近発売して広告出しているのかと思って少し調べるとスペインでの発売は1991年と、もうスペインでは30年近く販売されているブランドだった。1992年がバルセロナオリンピックだったのでそれを見越しての発売かな。コカ・コーラが大きいからというのもあるけどやっぱり30年も続けるブランドは凄いなぁと感心。
どんなメッセージ・イメージで販売しているか気になったので、キャッチコピーを見てみる。Googleさん頼みの翻訳でいくと、「あなたがそれを与えるとき、あなたの全身が尋ねます、アクエリアス」。広告イメージも爽やかな感じでスポーツ飲料という形ではなく日常シーン寄りの訴求の様。